ハナ勘デジタルニュース No.21
●デジタルか銀塩(フィルム)か?
すでに語り尽くされている問題なのですが、D70など低価格の一眼レフデジカメの出現で、
どうしても比較してしまう話題のようです。よく、「デジタルは大きく伸ばせない」という声を
耳にしますが、これは「デジタルだから」というわけではありません。フィルムでも35?よりハッセル
などの中判カメラ、中判より4×5などの大判カメラが圧倒的に高画質なように、デジタルでも中判
カメラや大判カメラに使用するカメラバックがあります。中判用なら1,000万画素〜2,200万画素、
大判用なら約4億画素にもなり、当然、これらを使えば、全紙はおろか全倍以上に引伸ばしても
フィルムに引けを取ることはありません。つまり、デジタルは大きく伸ばせないわけではなく、
撮像素子の大きさや画素数が問題なわけです。ただし、これらのカメラバックは、価格がカメラ本体や
レンズとは別に200万〜400万円もする上、大判用などは撮影時に高性能なパソコンが必要など一般的で
はありません。では、35?フィルムと一般的なデジカメでは、どうなのか?まず、コンパクトタイプの
デジカメは論外。何度も書いているようにコンパクトタイプは撮像素子が小さいため、500〜800万画素
あってもA4程度までで、ラチチュードを含め35?フィルムと比較できるものではありません。
その上、「ボケ」をコントロールしにくいのも作品には不向きです。それでは、APSサイズの撮像素子
を搭載した一眼レフタイプとの比較ですが、重箱の隅をつつくがごとく細部まで検証すれば、撮像面積
の大きさとラチチュードも少し広い(ポジフィルム)フィルムの方が上ということになります。
ただ、半切〜全紙にプリントした場合、35?フィルムでも粒子が目立ち解像感もあまくなるので、
通常の鑑賞ならば、ほぼ同等ということができます(中判や大判と比べてはあきまへん!)。
問題は、一眼レフデジカメで撮影して35?フィルムと同等の画質を得るには、撮影時の設定をそれに
見合った設定にすることと、後からの画像処理をきっちりとこなすことが難しいということです。
カメラまかせで撮影して、そのままプリント。あるいは基本を無視した、でたらめな画像処理をし
ていては、とてもフィルムと同等のプリントは得られません。
画像処理のことをいいますと「デジタルは後から補正や加工ができるからダメだ」と言う方もおられ
ます。しかし、銀塩であってもプリント時にはすべて補正が加えられているのです。
白黒なら表現意図に合わせて印画紙の号数を替えるなど暗室作業を自分で楽しむこともができますが、
カラーの場合、処理液の管理などが非常に難しいこととコストがかかりすぎるため、プロでも現像所
まかせになっているだけです。また、フィルムの選択やフィルターの使用などは、撮影時に色調を
補正しているわけで、撮影の前か後かの違いにしかすぎませんし、ポジフィルムの色が正しい色という
訳でもありません(フィルムの種類によって色調が違う)。写真の加工も多重露光やプリント時の
合成、ソラリゼーションなど銀塩でも作品の表現手段として用いられてきました。要は、作者がどう
いう意図で加工するのかが大事なことでデジタルだからダメという話ではないはずです。大掛かりな
暗室を持たずにパソコン(明るい暗室といわれています。)でカラー写真も処理できることはデジタル
写真の一つの楽しみ方だと思いますし、瞬間を写しとめるのに記録媒体が違うだけで写真には違いない
のです。
さて、くどくどと書いてきましたがハナ勘では、デジタルに興味のないお客様にデジタルを押し付ける
ようなつもりは、まったくございません。ハナ勘としましては、今まで以上に銀塩にも力を入れ、
銀塩の良さを追求していきたいと思っています。一方、デジタルにはデジタルの楽しみ方があるので、
興味をお持ちであれば、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。その上で、銀塩と使い分けていただ
ければ良いのではと思います。また、デジタルは自分で処理しなければならないものでもありませんの
で、フィルム同様、処理はハナ勘や現像所に任せて頂いても楽しめます。今後は、撮影会でもデジカメ
を使って頂いて構いませんし(もちろん引伸ばしが目的であれば、それなりのカメラでそれなりの設定
で)、ちゃんと撮影部長が写真として批評いたしますので、ためらわずチャレンジして下さい。
●D70使用レポート?
今回はD70を使っていて感じた、デジタルカメラの不便な点を書かせて頂きます。
前回でも触れましたが、デジタルカメラの場合、感度設定だけでなく画質に関する色々な設定が
あります。仕事で使っていますと目的や撮影条件に合わせてその都度、変更するのですが、
元に戻すのを忘れて撮影してしまうのです。もちろん自分が不注意なだけなのですが、設定項目が多い
ので、ついつい忘れてしまいます。常に一定の設定かRAW形式で撮影していれば問題はないのですが、
仕事の撮影では、そういうわけにもいきません。もう一つは、露出がシビアで神経質にならざるを得な
いということです。ネガフィルムを使用したスナップ撮影では、感度設定を少しオーバー目にしておけ
ば、補正など気にせず撮影に集中できたのですが、デジタルはシーンに応じて、チェックして補正しな
いといけません。いずれにしても、もっと使い込んで慣れていくしかないのですが、便利なはずの機能
が意外と不便だと感じています。