前回に続いて、ハナ勘のパソコン教室でよくでる質問です。
「モニタの色と印刷した写真の色がぜんぜん違う。 合わせることはできないの?」という質問で、
これは、パソコンでデジカメなどの写真を印刷した経験のある方なら、 誰もが抱く不満だと思います。
プロのカメラマンやデザイナーの方も頭を悩ませる難しい問題で専門的な話になり ますが、
なるべくわかりやすく説明したいと思います。
●透過光と反射光の違い
まず、モニタの色はブラウン管の中を投影される光(透過光)の色を見ているのに対し、
プリントは印刷された インクの色を照明器具の光の下(反射光)で見ることになります。
また、モニタの色はRGB(赤・緑・青)で、 インクの色はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)で
構成されており、もともと色の性質が異なるのです。
●色温度と明るさの違い
色温度とは光源の色を表現する単位でK(ケルビン)で表します。昼間の太陽光(約5,500K)を基準に
日陰や 曇りの日(約7,000K)は青くなり、朝日や夕日、電球(約3,000K)は赤くなります。
パソコンのモニタの色温度は Windowsの場合、初期設定は9,300Kになっている事が多く青みの強い色に
なっています。 これに対しパソコンを設置している部屋の色温度は、 窓があって外光の影響を受ける場合、
お天気や時間帯によって異なり色の見え方も大きく変わります。
また、照明器具の色温度も種類によって違います。室内の照明は、印刷したプリントの色を見るだけではなく、
モニタの色の見え方にも影響します。
●色再現域の違い
もう一つ大きな問題がモニタとプリンタの色再現域(カラースペース)が違うということです。
通常、モニタで再現できる色の範囲よりプリンタで再現できる色の範囲の方が狭いため、モニタでは見えているのに 印刷すると出ないということがあります。
●プリンタドライバの設定
プリンタドライバは、パソコンにプリンタを認識させるソフトですが、印刷時に色補正する機能があります。
通常、「自動補正」の設定になっていて、デジカメの写真などモニタを見ながら色を調整しても、これを無視して
色を 補正し、印刷します。
●ポジフィルムとリバーサルプリントも同じ
色が合わない問題は、何もパソコンとデジタル写真の問題だけではありません。普通の写真、特にリバーサルの場合、 ポジフィルムをライトボックス(透過光)上で見るのとプリントされた写真を照明の下(反射光)で見るのでは色の見え方が 違います。そして、何よりもカラースペースが違うため、原版(ポジ)では出ているのにプリントでは出すことのできない 色や階調があります。よく「原版どおりにプリント」と指示を受けますが、完全に出すことは不可能だということをご理解下さい。
●色を合わせるには
モニタとプリントの色を合わせるには、
1.パソコンを設置する室内環境を整備する。
2.モニタの色調整をする。(ノートパソコンや液晶モニタの場合、見た目の色は鮮やかできれいですが、
コントラストが高くカラースペースが狭いため、調整してもよい結果は得られません。)
3.パソコンの設定を変更する。
4.プリンタドライバの設定を変更する。 5.カラースペースの設定ができる画像ソフト(『フォトシップ・エレメンツ』など)を使用する。
以上の項目を実施すれば、かなり近づけることができます。ただし、あくまで「印象的」なので、 ある程度、
妥協しなければなりません。
●より、100%に近づけるには
高性能プリンタ(4〜5万円)や『フォトショップ』の正規版6.0(10万円)を使用する。
「測色機」(4万円)という機具を使い正確にモニタの色を調整する。
「CMS(カラー・マッチング・システム)ツール」(4万円)というソフトを使用してオリジナルのカラープロファイル (カラースペースを定義する情報ファイル)を作成するなど、費用をかけて専門知識を習得することで可能に
なります。
詳細は、専門書をお読みになるか、ハナ勘のパソコン教室(中級クラス)を受講して下さい。
また、このテーマだけの説明も いたします(約90分・要予約・有料)。
どこまでこだわるかが問題だと思いますが、ご自分で作品作りを目指すのであれば、 是非トライしてみて下さい。ハナ勘では、照明による色の見え方の違いが体験できます。ご来店の際にお試しください。